日本市民法規事務所


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ご相談・お問い合せ

100%市民の側に立つ、市民の為の法律&行政手続の実務事務所です。

 

 


Q and A


   頻繁にお問い合わせいただくご質問をQ&A形式にまとめました。

   

 就業関連

               
   そもそも就職とはなんなのでしょうか?
           
   正社員とパート・アルバイトの違いはなんですか?
           
   パートとして働いていますが、書面上の労働条件の明示がありません。
            
   パート勤務して一年半になりますが、月末にいきなり「来月からの契約更新
     はしない」と言われました。
             
   アルバイトを突然クビになりました。
            
   週4日勤務のパートをしていますが、社会保険の適用がありません。
            
   採用内定が一方的に取り消しになりました。
             
   試用期間中だからと言う理由で、何の説明もなしに解雇されました。
            
   「来月から給料下がるから」と言われています。
            
   パートに有給休暇はないのですか?
            
   有給休暇を取ろうとすると嫌がらせされます。
            
   生理休暇を申請しても認められません。
            
   産休制度はありますが、現実的には取得を申請しにくい状況です。
            
   残業代を払ってもらえません。
              
   「転勤を拒むなら辞めてもらうしかない」と二者択一を迫られています。
            
   嫌がらせとしか思えない配置転換を言い渡されました。
             
   突然、子会社への出向を宣告されました。
              
   突然、子会社への転籍を宣告されました。
             
   上司に結婚を報告したら、暗に自己都合退職するようにほのめかされました。
              
   上司のセクハラを円満に解決したい。
               
   もうこらえきれないので、最後の手段としてセクハラを告発したい。
             
   先輩のいじめに悩んでいます。
             
   うちの会社には退職金がないのですが、そう言うことは許されるのですか?
           
   リストラ退職の勧告を拒否したら、強制的に解雇すると言われました。
              
   懲戒解雇を言い渡されてしまいました。
            
   リストラ退職にやむなく応じたところ、応じた後に退職金はないと言われました。
            
   会社が倒産しました。未払いのお給料があるのですが、どうしたら良いのでしょう?

   

 転職・独立・会社設立関連


               
   会社を辞めたいのですが、決心できません。
            
   会社を辞めて、転職する決意をしました。まず何から始めたら良いでしょうか?
            
   失業保険を貰いながら、新しい就職口を探すつもりです。気をつける所って
     ありますか?
              
   面接官に好印象を持ってもらえる履歴書ってあるのですか?
             
   面接試験が苦手です。面接対策の仕方を教えてください。
             
   いっそのこと、今の会社を辞めて独立することを考えています。
            
   独立を決意しました。最初は会社を作らずに個人事業主として始めるつもりです。
           
   事業を始めるときに、役所に届出が必要な職種があるって聞いたのですが。
           
   個人事業の方が、会社にするより簡単なんですよね?
              
   実際には、会社ってどうやって作るのですか?
            
   有限会社と株式会社の違いって何なのですか?


 相続関連


        
   先日父が亡くなりました。相続手続きはどうしたら良いのでしょうか?
         
   相続で気をつけなければいけない、タイムリミットみたいなものはあるのですか?
        
   相続放棄って、どういう場合にするのですか?
       
   相続放棄って、どうやってしたら良いのですか?
      
   たったの3ヶ月では、相続するかどうかなんて大切なこと、判断できません。
       
   結局財産が多いのか、負債が多いのかわかりません。
        
   結局のところ、遺産はいつになったら手に入るのですか?
      
   財産や遺産の把握は大体できました。その次は何をしたら良いのですか?
       
   相続人の調査も完了しました。次は何を?
      
   遺産分割の話し合いがまとまりません。
        
   遺産分割の仕方の一般的なガイドラインみたいなものはないのですか?
      
   遺言書で、遺産の全額を故人の内縁の妻に渡すとされてしまいました。


 離婚関連


     
   もう数年夫婦の不和が続いており離婚しようか悩んでいます。私は離婚した
     方が良いのでしょうか?それともしない方が良いのでしょうか?
        
   主人が嫌でたまりません。でも、性格が嫌いな以外は特にこれといった問題
     はないのですが別れられますか?

   離婚の仕方にも色々方法があると聞きました。どのような方法があるのですか?

   離婚を裁判で争うには離婚原因が大事と聞いています。離婚原因とは?

   身体の関係はありませんが、好きな人がいます。そのことが主人の知れる所と
     なり、主人から「不貞を働いたのだから離婚する!」と離婚を言い渡されました。

   不貞行為の証拠としては、どの程度のものが必要になるのですか?

   主人に浮気相手がいます。けれど、私は離婚したくありません。浮気相手と手を
     切らせるにはどうしたら良いでしょうか?

   浮気相手とは別れたみたいですが、それでも浮気相手のことが許せません。
     何か制裁を加えることはできないでしょうか?

   主人からもう何年も無視され続け、最近では生活費も家に入れてくれないように
     なりました。もう限界なので別れたいのですが・・・。

   主人の性癖に堪えられないため性生活を拒否したら、主人から離婚すると言われ
     てしまいました。

   主人が暴力を振るいます。別れたいのですが、離婚したいなどと行ったら何を
     されるか分かりません。恐くて出来ません。

   もう限界です。お互いの気持ちの整理のためにも、まずはとにかく別居したいと
     思っています。でも、生活費のあてがありません。

   離婚は決意しましたが、今後の生活が不安です。

   離婚したいのですが、出来れば円満に離婚したいと思っています。裁判をせずに
     離婚は出来るのですか?

   離婚を申し出られ、やむなく離婚には応じるつもりです。でも、財産分与等の金銭
     面で折り合いがつきません。

   財産分与と慰謝料は違うのですか?

   養育費を請求したいのですが、確実に払ってくれるか不安です。

   子供の親権に関する折り合いがつきません。

   裁判所から調停の呼出し命令が来ました。話し合う気は毛頭ないので行きたく
     ありません。行かないとどうなりますか?

  

 その他の権利・義務関連

       
   敷金を取り戻したい。
       
   壁の黄ばみは原状回復工事に該当するのですか?
       
   不動産屋から、いきなり原状回復工事の請求書が送られてきました。
        
   いくら交渉しても不動産屋が敷金を返そうとしません。何か良い手は?
      
   賃料を値上げすると一方的に通告されています。
          
   賃料据え置き交渉が決裂しました。



 回答


               
   そもそも就職とはなんなのでしょうか?

   就職とは会社と労働者が雇用契約を結ぶことを言います。これを労働法
     の考え方に従って捉えたものを労働契約と言います。そして、労働契約
     は労働基準法、労働協約、就業規則の制約を受けることになります。

     使用者(会社)は労働契約の締結にあたり、労働条件を明示しなければ
     なりません。しかも、明示する内容のうち、賃金や就業時間といった一定
     の事項については文書による明示が必要です。(ただし、就業規則に明示
     があれば別段の明示は不要)

     なお、労働基準法、労働協約、就業規則で定める基準に達しない労働条件
     を定める労働契約は、その部分について無効となり、無効となった部分は
     労働基準法等で定める基準が適用されます。

     要するに、就職も契約の一つなのです。


                        




          

   正社員とパート・アルバイトの違いはなんですか?

   正社員と言う法律上の用語は実はありません。正社員、パート、アルバイトの
     違いは労働契約の違いによるものです。

     それぞれの違いについては、以下のQ&Aをご参照下さい。


                          





       

   パートとして働いていますが、書面上の労働条件の明示がありません。

   パートとは、H5年12月施行の「短時間労働者の雇用管理の改善等に関する
    法律(パートタイム労働法)」によると、一週間に働く労働時間が正社員より短い
    短時間労働者のことと解されています。

    よって、パートと正社員の違いは労働時間の長短によるものであって、パート
    の場合は、労働契約の際に労働条件を明示しなくても良いと言うような性格の
    ものではないのです。

    ただし、この労働条件の明示は口頭でも認められており、文書による明示は今
    のところ努力目標にとどまっています。

    そのため、今回のお問い合わせのようなことも違法とはいえないのです。


                         




         

   パート勤務して一年半になりますが、月末にいきなり「来月からの契約更新
     はしない」と言われました。

   パートは契約期間の定めが有るのが通常であり、この場合、契約期間の満了
     を迎えれば原則雇用関係も終了することになります。

     よって、解雇予告は適用されないのです。

     ただし、一年を超えて雇用されているような場合は、パートであっても雇い止め
     をする場合には解雇予告が必要になります。

     つまり、会社側は、解雇をしようとする日の少なくとも30日前にその予告をするか
     予告をしないのであれば、30日分以上の平均賃金を解雇予告手当てとして支払
     わなければなりません。

     なので、今回の会社側の対応には法律上の問題があります。

     現実問題として、解雇が撤回されないような場合であったとしても、解雇予告
     手当ては支払うように、会社側に毅然とした態度で申し入れましょう。



                         




          

   アルバイトを突然クビになりました。

   アルバイトは労働基準法21条の臨時雇用者に該当すると解されています。
     そのため、解雇予告は不要となります。

    アルバイトには就業規則もないのが普通であり、採用時に口頭、場合によって
    は書面などで取り決められた条件が労働契約となります。

    アルバイトの場合、一般的には就業規則や書面などに解雇予告等の条件が
    明記されている場合はほとんどないと思われますので、その場合、今回の会社
    側の対応は特に問題がないことになります。

    アルバイトの場合は、こうした会社側の対応もありえます。

   

                         




        

   週4日勤務のパートをしていますが、社会保険の適用がありません。

   社会保険と言った場合、通常は健康保険、厚生年金保険、労働者災害補償保険
     (労災保険)、雇用保険のことを指します。

     そもそもこれらの社会保険は強制加入が原則であり、会社側の都合によって加入
     しないといことは違法行為にほかなりません。

     以下の場合、会社は社会保険に加入しなければならないのです。


      ・健康保険   =常時5人以上の従業員を使用しているとき
      ・厚生年金保険=同上
      ・労災保険   =全労働者。よって一人でも従業員がいるとき
      ・雇用保険   =原則として労働基準法上の労働者には全て適用(※)

                 ※労働基準法上の労働者とは、職業の種類は問わず、
                   事業または事務所に使用されるもので、賃金を支払
                   われる者を言います。

                   また、正社員やパートと言った労働形態に関わらず、
                   週の所定労働時間が30時間以上あれば一般被保険者
                   となります。

                   さらに、所定労働時間が30時間未満であったとしても
                   次の条件を全て満たしている場合は短時間労働被保険
                   者となり、社会保険加入の対象となります。

                     @週の所定労働時間が20時間以上
                     A一年以上引き続き雇用される見込みがある
                     B年収が90万円以上あると見込まれる


     よって、もし、あなたが従業員数5人以上の会社に、一日8時間勤務で週4日間
     勤務しているのであれば、当然会社側は社会保険に加入させなければなりません
     し、週30時間に満たない場合でも、上記の@〜Bの条件に合致するなら同様に
     社会保険に加入させなければならないことになります。

     にもかかわらず、社会保険加入が認められないのならば、お近くの社会保険事務所
     にご相談されることをお勧めします。


                         




        

   採用内定が一方的に取り消しになりました。

   内定がなされた場合、正当な理由無く一方的に内定を取り消すことは出来ません。

     ただし、例えば労働契約の予約と言う程度に達していない場合は、内定取り消し
     自体は有効となりえます。けれども、この場合は、内定取り消しを不法行為として
     損害賠償を請求できる余地はあります。

     いずれにせよ、一度行なった採用内定を一方的に取り消すことには法律上の問題
     があります。

     なお、採用の内定により解約権留保付きの労働契約が成立したとして、内定取り消し
     を無効とした最高裁判所の判例もあります。

     ちなみに「正当な理由」とは、履歴書に虚偽の記載があった、信義に反することが
     起きたと言うような場合はもとより健康上の理由も該当しますし、経済事情の著しい
     変化なども該当する場合がありますので、この点は注意が必要になるでしょう。

     ある程度合理的で社会通念上必要と認められるものであれば「正当な理由」として
     認められる可能性があるのです。


                         




        


   試用期間中だからと言う理由で、何の説明もなしに解雇されました。

   試用期間中は使用者に解雇権が留保されていると考えられます。

     労働基準法21条によると、試用期間中の労働者の解雇については予告手当てを
     必要としないとされていますが、試用期間中であっても14日を超えて使用された場合
     には解雇手当は必要とされています。

     ただ、いずれの場合にせよ、使用者の勝手な都合で解雇が自由に出来ると言うわけ
     ではありません。

     解雇をするには、本採用後と同様に「正当な理由」が必要であり、違法な本採用拒否
     はできません。

     けれども、ここでいう試用期間中における「正当な理由」の範囲は、本採用後のそれに
     比べて大幅に使用者側の裁量の余地が残されているので、注意が必要です。


                         




      


   「来月から給料下がるから」と言われています。

   賃下げは労働者に不利な労働条件の変更ですから、当然、労働者の同意が必要です
     が、現実には解雇と賃下げの選択を迫られることが多く、労働者にとってはどちらも
     困難な状況となります。

     よって、残念ながら、最終的には賃下げを飲まざるを得ない状況が多くなります。

     ただし、就業規則で定められている賃金を減額する場合は労働者にとって不利益変更
     となるので、使用者が一方的に決めた給与減額が無効であるならば、労働者は差額
     の支給を請求することが可能です。


                        




        

   パートに有給休暇はないのですか?

   結論を先に言うと、パートであっても有給休暇は発生します。

     使用者は、その雇い入れの日から起算して6ヶ月間継続勤務し、全労働日の8割
     以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した10労働日の有給休暇を与え
     なければなりません。

     半年以上勤務していた場合なら、例えばパート勤務で週の労働日数が一日しかない
     場合でも、年に一日の有給休暇が認められています。


                        




        

   有給休暇を取ろうとすると嫌がらせされます。

   有給休暇の申請があった場合、原則として、会社は労働者の申請どおり有給休暇
     を与えなければなりません。

     ただし、条件によっては会社に「時季変更権」が認められているので、有給休暇
     取得の時季をずらすように要請されることはありえます。


     けれども、有給休暇自体を与えないと言うことは出来ません。


     また、「使用者は有給休暇を取得した労働者に対して賃金の減額、その他不利益
     な取扱いをしてはならない」と労働基準法にもはっきり明記されています。


                        




        

   生理休暇を申請しても認められません。

   生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を請求した場合は、会社は生理休暇を
     与えなければなりません。


     これに違反した場合は30万円以下の罰金刑が課されます。


     就業が著しく困難であることの証明は自己申告で充分であり、医師の診断書の
     ような書類も必要ありません。

     また、会社は就業規則その他により生理休暇の日数に制限を設けることは出来ず
     本人が必要であると請求した分の生理休暇を与えなければなりません。

     ただし、生理休暇を有給とするか無給とするかは労使間の取り決めによるので、
     そうした取り決めによって、生理休暇の分の給料を支給しないとするのは可能です。


                        




         

   産休制度はありますが、現実的には取得を申請しにくい状況です。

   妊婦からの産休申請があったにもかかわらず会社が産休を取らせなかったような
     場合は、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金刑に処せられます。

     なお、産後の8週間については女性からの申請にかかわらず、会社は原則として
     就業させてはなりません。

     世間には、いまだに結婚・出産を機に退職勧告を行う会社が少なからずありますが、
     これは男女雇用機会均等法違反として違法・無効です。

     さらに言うと、産休復帰後に閑職に移動させる等の配置転換も違法と考えられます。


                        




          


   残業代を払ってもらえません。

   残業代、すなわち割増賃金の不払は6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金
     が課されます。

     まず、最寄の労働基準監督署を探しましょう。(インターネットで簡単に検索できます)

     労働基準監督署は、時間外労働手当ての不払いに関する申告があった場合、使用
     者を調査の上、支払いを勧告しますので、これにより支払われるケースがほとんど
     です。

     ただし、使用者の経営不振等が原因で、「支払いたくても支払えない」ような場合の
     不払は、使用者と今後の支払いの見通しについて話し合いの場を持つ必要もある
     でしょう。


                        




              

   「転勤を拒むなら辞めてもらうしかない」と二者択一を迫られています。

   採用時に職種や勤務地を限定する合意があったかどうかによって対応が異なり
     ます。

     簡単に言うと、現地採用社員(地域限定社員)は同意がないと転勤させられません
     が、本社採用社員(地域非限定社員)は同意が無くとも転勤させることが出来る
     というのが、一般的な判例です。

     よって、あなたが現地採用社員(地域限定社員)ならば、このような選択を強要
     される言われはありませんが、あなたが本社採用社員(地域非限定社員)ならば、
     会社側は業務上必要な転勤命令については自由に出せると考えられます。

     この場合は、転勤命令を拒否することは業務命令違反等として懲戒処分の対象
     になるので、結果として懲戒解雇の対象にもなりえます。

     結論として、もし、あなたが本社採用社員(地域非限定社員)であるならば、会社
     側のこうした対応は法的に問題がないことになります。

     なお、裁判所も、会社側に権利の濫用が認められない限り、転勤命令を認める方向
     にあります。


     あなたの職種が該当する就業規則の「転勤」に関する項目を確認してください。

     この問題は結局のところ、就業規則次第と言うことになります。



                        





               

   嫌がらせとしか思えない配置転換を言い渡されました。

   リストラやセクハラ問題のこじれから発せられる配転命令を拒否されても、会社側
     はそれを理由にその社員を解雇するようなことは出来ません。

     よって、このような配転命令が出された場合は、必ず配転の理由を会社側に確認
     してください。

     そして、「嫌がらせ」の詳しい内容と、会社側の説明を証拠として必ず記録して下さい。


     安心してください。


     嫌がらせによる配転命令が事実ならば、裁判所はそれを認めない傾向がはっきり
     しています。



                        





         

   突然、子会社への出向を宣告されました。

   会社が出向命令を出す場合は、原則として本人の同意が必要です。

     ただ、裁判所の傾向としては、労働契約や就業規則に出向に関する規程が有れば、
     個別に本人の同意を取り付けることまでは必要ないとしています。

     しかしながら、このような場合でも業務上の必要性がない出向命令や、リストラや
     セクハラ問題のこじれが原因と思われるような、すなわち会社の人事権の濫用に
     該当するものまでが認められているわけではありません。


     よって、こうした「業務上の必要性」に基づかないような場合は、社員は出向命令を
     拒否することが可能です。


     同様に、出向先の労働条件が著しく劣悪となる場合や、出向によって著しく生活に
     不利益が生じる場合も出向命令は拒否できると考えられます。

     ただし、、裁判所の傾向としては、出向に関する規定や合意が有る場合には、会社側
     の出向命令を認める場合が多いようです。



                        





          

   突然、子会社への転籍を宣告されました。

   転籍とは、元の会社を退職し、新たな会社に採用されることを言います。

     そのため、転籍すると身分や雇用関係が大幅に変更となるのが普通なので、会社
     は社員の同意がない限り転籍命令は出せません。

     出向の場合と異なり、労働協約や就業規則に転籍に関する規定が有ったとしても
     個別に社員の同意が必要とされています。


     よって、転籍命令を拒否しても通常は懲戒処分に該当しませんので、あなたが転籍
     したくなければ転勤命令を拒否すれば良いのです。


     これについては、裁判所の一般的傾向も同じです。



                        





          

   上司に結婚を報告したら、暗に自己都合退職するようにほのめかされました。

   結婚や出産を機に、会社が女性に退職を勧告することは許されません。

     こうした行為は、以前は「公序良俗」違反として無効とされていたのですが、現在
     では、男女雇用機会均等法の制定に伴って、禁止規定として明記されています。

     よって、結婚を理由とした退職勧告は違法性が強いと言って良いのです。


     あなた自身が結婚退職を望んでいない限り、毅然とした態度で臨みましょう。



                        





         

   上司のセクハラを円満に解決したい。

   昇給や昇進を持ち出して性的関係を要求したりする場合でも、性的な冗談や
     からかいにより職場環境が悪化した場合でも、大切なのは「証拠」を残すこと
     です。

     ここで気をつけなければならないのは、後者の場合(性的な冗談やからかい)
     は、あなたが不快であると意思表示を明確しているにもかかわらず、その行為
     が反復継続されているという証拠が必要になることです。


     つまり、前者の場合は「・・・したら昇進させてあげる」と言ったようのことが一度
     でもあればセクハラとして成立しますが、後者の場合は一度だけではセクハラ
     とはならないのです。


     具体的な対策として、前者の場合は、そうした持ちかけをされた時にICレコーダー
     があれば録音しておく。そうでなかった場合でも、こうした上司は多くの場合、
     二回目の誘いかけをしてくるでしょうから、その時のためにICレコーダー等の
     録音機器を購入されることをお奨めします。

     録音さえ出来てしまえば、あとはそう難しくはありません。録音日時、場所、会話
     の概要を文書に記録し、そのことを上司の方に示唆する。大概の場合は、これで
     不愉快な誘いかけはなくなります。

     ただし、そうした「示唆」には注意が必要です。脅迫と取られないように示唆は一回
     だけにしておく方が良いと思います。


     示唆したにもかかわらず、上司の態度が変わらないようであれば、社内のセクハラ
     の担当者に相談するむねを意思表示してみてください。ポイントはあなたが「本気」
     であること、完全にその気は無く迷惑千万なだけであることを明確に伝えることです。



     後者の場合も基本的には同じですが、反復継続して行為がなされたかがポイント
     になるため、その行為の都度、記録にとどめておく必要があります。

     こうした「証拠集め」はわずらわしいですし、そうすることに後ろ向きな感情、やましさ
     を持つ方もいらっしゃいますが、非は間違いなくセクハラをする側にあるのです。


     あなたがやましさを感じる必然性は一切ないので、淡々と証拠集めをして下さい。


     また、そうして集めた証拠を最終的に突きつけるかどうかはともかく、そうしようと
     思えばできる状態にあるのとないのとでは、あなたの精神状態にも大きな違いが
     出るはずです。

     後になって告発しようと思っても、証拠がなければ後の祭りです。



     繰り返しになりますが、重要なのは「証拠集め」です。



     堪えるだけではなく、しっかり「記録」をとっておきましょう。


     さて、後者の場合、現実問題としては、ある特定の個人がセクハラ行為を繰り返す
     というよりも、「組織」や「職場環境」として恒常的にそれがなされることが多いので、
     つまりはその組織の長の問題なのです。

     ある程度の証拠が集まったら、組織の長に「相談があります」と持ちかけてみて
     下さい。

     証拠を突きつけるのではなく、証拠に基づいて日時を明確にしつつ、感情的にならず
     真摯に、かつできるだけ冷静に「不快である」ことを伝えるようにしてみてください。


     ポイントは日時を明確にしつつ話すことです。


     そうすれば、証拠を突きつけなくとも、長の方には「証拠がある」ことを伝えられます。



                        





         

   もうこらえきれないので、最後の手段としてセクハラを告発したい。

   相手に繰り返し意思表示したにもかかわらず、依然として行為が継続される場合や
     改善される見込みが一向にない場合は、断固とした措置を取るべきです。

     会社にはセクハラ防止が義務付けられているので、セクハラ相談窓口が設けられ
     ているはずです。そうした窓口に実際に相談してください。

     しかし、例えば社長本人からセクハラを受けているような場合は、相談窓口自体が
     無いか、有ったとしても機能していないことが予想されるので、このような場合は
     法的手段に訴えるしか現実的な解決方法は無いと思われます。


     皆さんご存知無い様ですが、法的手段と言っても様々な方法があり、裁判ばかりが
     法的手段ではないのです。


     まずは最寄の行政書士等の法律家にご相談なさることをお奨めします。


     なお、最初から「裁判で決着を付けたい」と言う意志がお強いなら、費用は高くなり
     ますが、行政書士ではなく弁護士に相談なさる方が適切です。



                        





         

   先輩のいじめに悩んでいます。

   先輩個人からのいじめと言うことであれば、やはり、まずは「話し合い」の場を持つ
     努力をする必要があるでしょう。

     というのも、現在のところ「いじめ」自体に関する直接の法律の規定も、それを救済
     する法律も無いのです。

     そのため、話し合いを続けてもどうしてもいじめがなくならない、あるいは話し合い
     の場を持つことすら出来ないと言うのであれば、上司あるいは人事セクションに
     異動を願い出ることが現実的な解決の近道です。

     少人数の規模の会社で人事異動の可能性がないような場合は、直接社長に相談
     することになると思いますが、社長があなたよりも、いじめを行っている先輩の方を
     評価しているならば、解決の可能性は相当低いと言わざるを得ません。


     なので、まずこの点に関してしっかり見極めを行ってください。


     そして、もし、いじめをしている先輩の方があなたより評価され、会社から必要と
     されているようなら、残念ですが、社長に相談しても、今後の職場環境が改善
     されることは余り期待できないと思われます。


     よって、最初に申し上げたとおり、先輩と話し合いの機会を持ち、あなた自身が
     解決に向けて動かないと状況は改善されないことの方が多いと思われます。

     ただし、仮にあなたがいじめが原因で職場を去らなければならなくなった場合で、
     先輩個人のいじめではなく、組織としてのいじめ、会社全体としてのいじめと言う
     ことであれば、不法行為として損害賠償請求が認められる可能性があります。


     この場合は、不法行為の有無を法廷で争うことになるので、いじめの内容や日時
     を記録に残しておいて下さい。



                        





            

   うちの会社には退職金がないのですが、そう言うことは許されるのですか?

   日本の雇用慣行では、退職に際して退職金を支払う企業が一般的でしたが、
     退職金の支払いは法律で会社に義務付けられているものではありません。

     その意味では、退職金がない会社があっても何らおかしくないですし、逆に
     これからは退職金のない会社の方が一般的になっていくと思われます。


     ただし、本当に退職金がないかどうかは就業規則で確認した方が良いでしょう。


     あなたの会社が常時10名以上の社員を雇用しているならば、就業規則が
     あるはずです。

     また、就業規則や退職金に関する規程が会社に存在しなくても、慣例として
     退職金を支払っているような場合もありえます。

     この場合は、あなたも退職金支払いを請求できますので、他の社員、昔から
     在籍している社員などに確認してみてください。



                        






        
   リストラ退職の勧告を拒否したら、強制的に解雇すると言われました。

   リストラ退職の勧告を拒否したことを原因とする解雇は無効です。

     リストラによる解雇が認められるには厳しい条件があり、裁判所の傾向としては
     人員整理の必要性や人員削減を回避するための努力義務を会社側が果たした
     かなどの4つの条件を全てクリアした場合のみリストラ退職を認めるのが通常
     です。

     そのため、会社側は社員をあの手この手で自己都合退職に追い込もうとする
     場合があります。

     このようないやがらせは不当労働行為として損害賠償の対象になりえます。



                        






           
   懲戒解雇を言い渡されてしまいました。

   懲戒解雇とは、解雇処分の中でも最も重い処分で、社員の不行跡を理由に
     社員を懲らしめ、戒めるために会社を追放することを言います。

     解雇手当も無く、即時解雇も可能であるばかりか、次の就職にも大きな影響
     を与えるので、社員にとっては限りなく大きな不利益となります。

     
     よって、懲戒解雇をするには厳しい条件が課せられており、一方的に懲戒解雇
     を言い渡すようなことは出来ません。

     
     具体的には、就業規則の懲戒解雇事由に該当する場合だけが懲戒解雇の対象
     となりますので、就業規則を確認して、あなたがそのいずれの事由にも該当しない
     ならば懲戒解雇を言い渡されるいわれはありません。

     また、裁判所の一般的傾向も懲戒解雇を厳しく規制する方向にあり、就業規則
     の懲戒解雇事由に該当しさえすれば懲戒解雇は認められると言うわけではない
     のです。


     なので、毅然とした態度で臨みましょう。




                        






        
   リストラ退職にやむなく応じたところ、応じた後に退職金はないと言われました。

   あなたの会社に退職金に関する規定があって、退職に伴って退職金が支払わ
     れているのなら、リストラによる解雇は会社都合解雇なので、当然退職金支給
     の対象になります。

     いわゆるリストラ退職の場合、退職金はないどころか通常は退職金に割増金を
     上乗せするのが一般的です。


     なので、会社側が退職金はないと言う根拠と、退職金規程等の退職金に関する
     規程を確認してください。




                        






        
   会社が倒産しました。未払いのお給料があるのですが、どうしたら良いのでしょう?

   会社が借金がかさんで倒産したような場合でも、社員に対する未払い賃金は
     一般の債権者に優先して社員に支払われます。

     つまり、法的には、会社が倒産した場合であっても社員の未払い賃金は支払わ
     れて当然なのです。

     これを先取特権と言います。

     ただし、先取特権にも制限があり、最後の6ヶ月の給料(退職金がある場合は
     6ヶ月分の給料相当額)が限度額となりますが、会社の形態が株式会社や有限
     会社の場合は限度額はありません。


     そして、原則として、この先取特権は裁判をすること無く会社の財産を差し押さえる
     ことが出来ますので、これにより未払いの給料を回収することが可能です。




                        

   






           
   会社を辞めたいのですが、決心できません。

   最初に申し上げておきたいのは、会社を辞めるということは一大事であり、
     一時の感情で決断するものでは決してないと言うことです。

     その意味では、簡単に決心できなくて当然なのです。

     むしろ、そうでなくてはなりません。


     「自分自身を深く見つめ直し、相当の時間をかけて計画する・・・。」


     これが綺麗に会社を辞めて、次のステップにスムーズに移行していく人たち
     に共通する態度です。

     そして、会社を綺麗に辞めるためには、今がそのタイミングかどうかを見極める
     ことが非常に大切になってきます。

     転職や起業がもてはやされていますが、本当のところは、転職してレベルアップ
     する人は今でも少数派ですし、ましてや起業して成功する人は極めて少数です。

     決心できないと言うことは、あなたが優柔不断であると言うことではなく、あなた
     は心の深いところで「今はまだ、会社を辞めないほうがいい」という逆の決断を
     しているのかも知れません。


     余談ですが、私の知る転職や起業の成功例の多くは、退職すべきかどうか迷う
     余地がなかった場合がほとんどです。

     
     「退職し、転職か起業するしかなかった。」


     あなたが決心するのはそのときなのかもしれません・・・。


     ※「会社の辞め時」のことを詳しくお知りになりたい方はこちらをごらん下さい。




                        






            
   会社を辞めて、転職する決意をしました。まず何から始めたら良いでしょうか?

   転職する前にしなければならないこと。

     当たり前ですが、それは退職です。
     

     多くの方は新たな就職先を探す方に目を奪われてしまいますが、その前
     に心がけなければならないのは「綺麗に退職する」ことです。


     「なぜ、辞めることを決意した会社を『綺麗に』辞めなければならないのか?」

     「辞めるんだから、あとはどうでもいいじゃないか!」


     多くの方は、こう思われるかもしれません。


     けれども、その考え方は多くの場合損をします。

     なので、転職を決意して最初にすることは、今お世話になっている会社を
     いかに綺麗に辞めるかに心を砕くことです。


     不思議なことに転職や起業の成功と、お世話になった会社を綺麗に辞める
     こととの間には密接な関係があるのです。

     私の知る限りでは、良い会社の辞め方をした方ほど、新天地で成功する可能性
     が高いのです。

     理由はいくつかありますが、その最大の理由は、余り望ましくない会社の辞め方
     をした場合は、自分がいくら違うと思っていても深層心理で「追い出された」という
     被害者意識が残り、それが新天地でも悪影響を及ぼすからだと思います。


     そうした被害者モードにならないために、まずは会社を「綺麗に辞める」ことを
     心がけて頂きたいと思います。


     ※綺麗な会社の「辞め方」の詳細をお知りになりたい方はこちらをごらん下さい。




                        






         
   失業保険を貰いながら、新しい就職口を探すつもりです。気をつける所って
     ありますか?

   失業保険(失業給付金)を貰うには、ハローワークに求人登録をする必要が
     あります。

     その際の注意点は大きく分けて以下の2点があります。

     ・退職理由
     ・退職日

     まず、退職理由についてです。

     会社を離職することになった場合、通常、退職後10日前後で会社から「雇用
     保険被保険者離職票」が郵送されます。

     その裏面に離職理由の一覧が記載されているので、事実と相違ないか確認
     してください。

     具体的には、会社都合退職(解雇等)なのか、自己都合退職なのかを確認
     します。


     仮にあなたが自己都合退職ならば、失業給付金が貰えるのは失業認定が
     なされてから3ヶ月も後のことになってしまいます。


     事実、あなたの一身上の理由による退職ならば仕方ありませんが、実態は
     リストラであったにもかかわらず、会社側はリストラの事実を隠したいがため
     に、退職理由を「自己都合」と偽るケースも見受けられます。

     なので、もし会社から送られてきた「雇用保険被保険者離職票」の退職理由
     が実態と異なる場合には、すぐに会社側に連絡をし、離職票の訂正を求めて
     ください。

     この点に関しては、いくらお世話になった会社とはいえ妥協してはなりません。

     失業給付金の支給が大幅に遅れるだけではなく、その支給額も自己都合退職
     と会社都合退職では大きく異なります。(会社都合退職の方が多い)

     失業給付金は言うまでもありませんが、転職先が見つかるまでの命綱です。

     仮に会社から、退職理由を自己都合にして欲しいと要請されても、それが実態
     と異なるならば、きっぱり拒否してください。



     次に退職日ですが、勤続年数によって失業給付金の額が大きく変わるタイミング
     があります。

     5年目、10年目と20年目です。

     たとえば、入社後9年11ヶ月で退職する場合と10年が経過してから退職する
     場合では、後者の方が約30%も支給額が多くなります。(自己都合退職の場合)

   
     なので、あなたがあと少しでこれらの節目を迎えるようならば、ぜひ節目を迎えて
     から退職なさることをお奨めします。


     ※失業保険・年金に関して、もう少し詳しく知りたい方はこちらをご参照下さい




                        






         
   面接官に好印象を持ってもらえる履歴書ってあるのですか?

   間違いなくあります。

     でも、履歴書の細かな書き方に関してはここでは述べません。


     なぜかというと、もっともっと大切なものが他にあるからです。


     そもそもなぜ企業は応募者に履歴書を提出させるのでしょうか?

    
     いくつか理由がありますが、最大の理由は「面接を受けさせるかどうか判断
     するため」です。

     最近では超人気企業でも学歴不問なところが増えていますし、履歴書以外の
     「エントリーシート」によって、志望動機等を事前に把握するのが大企業では
     一般化しています。

     その為、履歴書の意味合いは以前に比べると相当変化しています。


     率直に言います。


     履歴書で最も大切なところ。つまり、最も気を使わなければならないところは
     「写真」です。

     その次に大切なのは「字」です。

   
     つまりは「何が書かれているか?」よりも、履歴書をぱっと目にしたときの印象
     が極めて重要なのです。現実問題として、写真映りが良くて字が綺麗な履歴書
     は有利だと言うことです。

     よって、写真は必ずきちんとした写真屋でプロのカメラマンに撮って貰った方が
     良いでしょう。字については、よほどの悪筆で無い限りは自筆で丁寧に記入
     します。


     「何を当たり前のことを・・・」とお思いかもしれませんが、採用の現場にいて痛感
     するのは、ほとんどの方の履歴書にはなんらかの問題があるということです。

     「当たり前のこと」が出来ている履歴書は本当に少ないのです。


     採用担当者がプロであればあるほど、履歴書をチェックする時間は短く、時には
     数秒で面接に進ませるかどうかを判断します。


     その時に見ているところは写真の映りはもちろん、写真の貼付の仕方や、履歴書
     の封入の仕方といった細かなところであったりします。


     履歴書はぱっと見たときに受ける印象とディティールに重きをおいて作成しましょう。


     履歴書に書かれていることを見なくとも、丁寧な人かどうか、誠実な人かどうかは
     一瞬で見抜かれるということを胸に刻んで下さい。


     ※履歴書や志望動機書に関して、もう少し詳しく知りたい方はこちらをご参照下さい。




                        






        
   面接試験が苦手です。面接対策の仕方を教えてください。

   面接は「戦いの場」です。戦い、しかも心理戦の場です。

    こういうと勘違いされる方が多くいらっしゃいますが、心理戦=嘘を本当に見せる
    戦術ということではありません。

    事実はその逆です。


    ありのままのあなたを誤解無く理解してもらうための場、それが面接なのです。


    こういうと「そうか、じゃ、自分の悪い面も包み隠さず出さないといけないんだ」と
    逆方向の勘違いをなさる方がいらっしゃいます。

    そうではないのです。

    面接の場では嘘は絶対に言ってはなりませんが、パッケージングは必要です。

    人は普通、その商品がどんなに価値があったとしても、包装紙が貧相だと買いま
    せん。同じダイヤモンドなら、パッケージが良い方が、より高級に見えるのは明らか
    です。

    だから、あなたというダイヤモンドを買ってもらうには商品の良さの説明よりも、
    パッケージングが合否を決定します。


    そもそも、面接の場に進んだと言うことは、他の応募者もあなたも、その商品性に
    大きな違いは無いということです。


    面接での合否は、実はあなたの中身よりも「見せ方」にあることを心の底から信じて
    ください。

    
    「自分は能力的にはなんら問題は無い」と確信すること。


    ものすごく重要です。自信の無さは面接官にすぐに伝わります。


    自分で自分の価値を信じられない人は採用されません。かといって、自信があれば
    採用されるほど甘いものではありません。


    まずは自信。


    そして、自分を最高に良く見せるパッケージング。


    この二つが揃って初めて採用内定を勝ち得ることが出来るのです。
    

    ※面接に関して、もう少し詳しく知りたい方はこちらをご参照下さい。




                        






                
   いっそのこと、今の会社を辞めて独立することを考えています。

   まず申し上げたいのは、今が本当に会社の辞め時なのか充分に考えつくしたか
     再度確認して欲しいということです。

     その必要はないのに退職を選択してしまっているケースが散見されます。

     セクハラやリストラ勧奨を機会に独立する決意をなさる方もいらっしゃいますが、
     その様な場合は会社側の対応に問題があることも多々あります。

     そうした場合、やるべきことをやりつくしてからでも退職の決意は遅くありません。

     水をさすようですが、独立には相当の準備期間と元手が必要になります。そう簡単
     なものではありません。


     新たに出来た会社のうちの9割以上が5年以内に廃業します。


     これは、9割の人は独立しても5年後にはまたサラリーマンに戻っている可能性が
     極めて高いことを意味します。

     そして、恐らく大半の人は以前の会社よりも待遇が良くない会社に再就職している
     と思われます。


     厳しい言い方になりますが、そもそも独立は人に相談して決めるものではないと思い
     ます。

     けれども、信頼できる人やメディアから充分な情報を集め、独立の決断の材料にする
     ことは絶対に必要でしょう。


     そうした情報収集をしつつ、現在在籍する会社で修得出来ることをやりつくしたか、
     今一度お考えいただきたいと思います。


     ※会社を辞めるタイミングに関してもう少し詳しく知りたい方はこちらをご参照下さい。




                        


  





          
   独立を決意しました。最初は会社を作らずに個人事業主として始めるつもりです。

   その決断が、充分考えつくした上でのものであるならば、必ずしも会社にしがみつく
     必然性はないと思います。

     そして、あなたの想定しているお客様が法人中心ではなくて個人が中心になる
     なら、個人のお客様は法人のお客様ほど取引相手が法人であるかどうかを気に
     なさいません。

     なので、確かに個人事業主から始めた方がいいかもしれません。

     信用と言う意味では法人化したほうがメリットは大きいですし、借入等の資金調達
     面でも法人は個人事業主よりも圧倒的に有利ですが、その反面デメリットもある
     のです。

     自己資金がある程度確保できていて、個人向けのビジネスをなさるのであれば
     最初は小さく個人事業主で始めて事業が軌道に乗ってから途中で会社にする
     ことも可能ですから、個人事業主から始めても特に問題はないと思います。


     大切なのはそうした「形」ではなくて、あなたの事業の中身です。


     始めに事業の中身ありき。


     「こんな事業を考えている。それには会社がいいのか個人事業主がいいのか?
     それとも場合によってはフリーランスがいいのか?」と言う順番で考えるのが
     適切です。




                        






        
   事業を始めるときに、役所に届出が必要な職種があるって聞いたのですが。

   業種によって、開業する前に事前の役所の許可や届出が必要なものがあります。

     これは会社として事業を行うときはもちろん、個人事業主として事業を行うときも
     該当します。

     許可や届出が必要な業種としては、主に食品、衛生、風俗、不動産などに関連
     する業種があげられますので、こうした業種について営業を行う場合には注意が
     必要です。

     実際の手続きは各都道府県によって違いがありますので、管轄の役所に問合せる
     か、お近くの行政書士等の法律の専門家にご相談なさると良いと思います。




                        





          
   個人事業の方が、会社にするより簡単なんですよね?

   まず申し上げたいのは、事業を起こす=会社を作ることではないと言うことです。

    出発点は「何をやろうとしているのか?」「どんなビジネスモデルなのか?」を
    考えつくすことです。


    ご質問の答えとしては「YES」ですが、こうご質問なさる方の多くは出発点を
    お間違えだと思います。


    事業の形態は簡単か、簡単ではないかで選ぶべきではありません。

    ただ、「自分のビジネスを考えつくしましょう」とアドバイスすると、「しっかりした
    事業計画書を作るようにします」と仰る方がいらっしゃいますが、私の言いたい
    ことはそうではありません。

    事業計画書は借金をして事業を始めるときには必要ですが、そうでないならば
    それほど立派なものを作る必要はありません。

    なぜかというと、それはほとんど「計画倒れ」に終わるからです。


    では、ビジネスを考えつくすところから始めるとはどういうことかと言うと、あなた
    がこれから世の中に提供していくサービスの核心や本質は何か?それを最も
    効率的に多くの人に提供するための仕組みは何か?と言ったことを考えつくす
    ところを出発点にして欲しいということです。

    そして、その「仕掛け」を現実に動かしていく形態としては、フリーランスが良い
    のか、自営業(個人事業主)が良いのか、それとも会社が良いのかを考える
    という順番が適切です。

    現在では様々なITツールが存在するので、以前と異なりわざわざ会社を作らなく
    とも、また、多額の元手を集めなくとも事業は始めやすい環境にあります。

    ビジネスモデルを考えつくし、その結果として会社化するのが良いと言う結論に
    達したのであれば、大変であっても会社にすべきでしょうし、いくら簡単に会社
    が作れる状況にあったとしても、その必要がなければ会社にする必要はないの
    です。




                        





            
   実際には、会社ってどうやって作るのですか?

   多くの人が思っているほど、会社を作るのは難しくありません。恐らくご自分だけ
     で会社を作ることが可能です。

     ただし、時間もかかりますし、役所から書類の不備を指摘されたりしてスムーズ
     には行かないと思います。

     この点を納得しているのなら、是非ご自分でチャレンジされてみてはいかがで
     しょうか?

     株式会社も有限会社もたいした違いはありません。

     ごく大まかな流れとしては以下のようになります。


         <有限会社の場合>             <株式会社の場合>

          類似商号調査                 類似商号調査
           ↓                         ↓
          定款作成                    定款作成
           ↓                         ↓
          定款認証                    定款認証
           ↓                         ↓
          出資払込                    株式払込
           ↓                         ↓
          取締役・監査役の調査            取締役会
           ↓                         ↓
          登記申請                    取締役・監査役の調査
           ↓                         ↓
          設立届出                    登記申請
                                      ↓
                                    設立届出

                                    ※発起設立のとき


     実際には細かな点の注意が必要ですが、それも通常の事務処理能力と注意力
     があれば、特に問題に思う必要はありません。

     ただ、繰り返しになりますが、手間も時間もそれなりにかかりますので、行政書士
     等の会社設立の専門家に会社設立をまるごとアウトソースするというのも一つの
     考え方です。

     どちらがいいかはケース・バイ・ケースでしょう。


     あなたがお金と時間のどちらを大切に思っているか次第です。




                        




     

             
   有限会社と株式会社の違いって何なのですか?

   有限会社と株式会社の違いは、一言で言うと有限会社は比較的小規模で閉鎖的
     な会社であり、株式会社は比較的大規模で開かれた会社であると言えるでしょう。
     

     別の言い方をすれば、株式会社の簡易版が有限会社と考えてもいいでしょう。

     有限会社も株式会社も、いわゆる「有限責任」の会社形態であることでは違いは
     ありません。

     なので、仮にあなたが有限会社や株式会社の株主になった場合に、会社が倒産
     したとしても、最悪でも、自分が株式を購入したときのお金(出資額)を諦めれば
     良く、それ以上の負債を自分が負うようなことはありません。

     資本金の金額や取締役・監査役の数は株式会社の方が高いハードルが課され、
     取締役会や株主総会の運用ルールも株式会社の方が厳密に規定されていると
     いうように細かな点で株式会社の方が厳格な経営を求められています。

     なかでも大きな違いは、株式を自由に譲渡できるかどうかです。

     株式会社は原則自由に自分の出資分(株式)を譲渡できますが、有限会社の株主
     が所有する株式を他人に譲渡するには社員総会の承認が必要となります。


     要するに、大会社に向いているのが株式会社で、中小企業に向いているのが有限
     会社ということになるでしょう。


     ただし、有限会社はH18年に商法改正が施行された後は、新たに設立することが
     できなくなります。現行の有限会社と株式会社は「株式会社」に一本化される予定
     です。




                        






            
   先日父が亡くなりました。相続手続きはどうしたら良いのでしょうか?

   まず、最初に申し上げておきたいことは相続手続きと言うものは、基本的には
     あなた自身が主体的に動かないとならないと言うことです。

     あなたが行動しない限り、どこからも「あなたは相続が発生したので、○○という
     手続きが発生します。」とは言って貰えません。

     
     まず、お父様の遺品や貴重品類、契約書、不動産登記簿がどこに保管されている
     かを確認しましょう。


     そして、それらを一覧表にまとめてください。

     この段階では、各契約書の内容について、細かなところまで読み込む必要はあり
     ませんが、どういった内容の書類なのかを大まかに理解しておくことは必要ですので
     ざっと目を通すようにしてください。


     要するに、お父様の「持ち物」と「お付き合いのあった先」を洗い出すのが相続手続き
     の第一歩なのです。




                        






          
   相続で気をつけなければいけない、タイムリミットみたいなものはあるのですか?

   あります。

     仮にお父様に借金があった場合ですが、その借金も「相続財産」に該当します。

     一般的な感覚からすると借金が財産と言うのは変な感じがすると思いますが、
     法的には借金も「負の財産」ということで相続財産に含まれます。

     これはどういうことかと言うと、お父様の、いわゆる普通の意味での財産がゼロ
     だったにも拘らず、借金が一千万円あったとすると、あなたは一千万円の借金を
     背負ってしまう可能性があると言うことです。


     もし、あなたのお父様の借金が一千万円ではなくて一億円だったとしたら、あなた
     はどうなってしまうでしょう。


     恐らく一生かかっても返せないと思います。

     これではあまりにも酷なので、一定の条件をクリアすれば相続をしない、すなわち
     相続を放棄することが認められています。これがTVなどで良く耳にする「相続放棄」
     です。

     相続においては、これが最も注意しなければならない「タイムリミット」になり、それは
     相続を知ったときから3ヶ月以内になります。

     そして、相続税が発生するケースでは、被相続人が亡くなった日から10ヶ月まで
     に相続税の申告・納付を行う必要があります。


     ただし、相続税は必ず発生するわけではなく、むしろ、ほとんどの相続では相続税
     納付の必要はないと思って良いと思います。


     例えば、お父様が亡くなってお母様と子供1人が相続した場合では、相続した
     財産の合計が6,000万円以内であれば相続税はかかりません。お母様と子供
     2人の場合ならば、相続財産の合計が7,000万円以内であれば相続税はかかり
     ません。


     かなり大きな金額の財産を相続しない限り相続税は発生しないのです。


     相続と言うと、ほとんどの方は税理士さんを思い浮かべますし、相続税も必ず発生
     すると思われているようですが、それは誤解です。


     例に挙げたような場合なら、わざわざ税理士さんに相続手続きをお願いする必要は
     ないのです。


     ほかのタイムリミットとしては葬祭費(埋葬費)の支給の申請日があります。


     これはお父様のお亡くなりになった日から2年以内に手続きしなければなりません
     が、これは特に問題ないと思います。


     まとめると、あなたのお父様に借金がありそうな場合には、相続放棄をしなければ
     ならないかもしれませんので、お気持ちは察しますが、悲しみにくれている時間は
     あまりないと言うことです。




                        






         
   相続放棄って、どういう場合にするのですか?

   簡単に言うと、被相続人が残した相続財産のうち、不動産や預金といった
     「正の資産」よりも借金などの負債、すなわち「負の資産」の方が多いとき
     です。

     また、相続が「争続」になってしまうようなケースでも相続放棄がありえます。

     こうした醜い骨肉の争い、相続のゴタゴタに関与するくらいなら相続財産
     を諦めるという場合です。

     要するに、相続放棄は借金を相続したくないときや、相続に伴う身内の争い
     に巻き込まれたくないときに行われることがほとんどです。




                        


    



        
   相続放棄って、どうやってしたら良いのですか?

   相続放棄をした場合の確認事項ですが、相続放棄した場合は借金だけではなく
     財産も一切合財相続できなくなります。

     その点はくれぐれも忘れないでください。

     そしてタイムリミットの「3ヶ月」をしっかり意識しましょう。


     相続放棄をするためには、相続人が相続が発生したことを知ってから原則として
     「3ヶ月」以内に手続きをする必要があります。


     相続放棄の手続きは家庭裁判所で行うことになりますが、あなた以外に相続人が
     いる場合でも、あなたが相続放棄を行いたいのであれば、あなた単独の意志で
     相続を放棄することが出来ます。

     他の相続人の方の同意は必要ありません。

     手続き自体は簡単です。相続放棄申述書を管轄の家庭裁判所に提出し、それが
     受理されれば効力が発生します。

     この相続放棄申述書は申述人(相続を放棄する人)の住所や被相続人(亡くなった
     方)の氏名や相続放棄の理由等の必要事項を記載するだけの簡単な内容です
     ので、あえて専門家の手を借りなくとも対応できると思います。

     なお、申述の際の費用も800円と安価です。




                        






          
   たったの3ヶ月では、相続するかどうかなんて大切なこと、判断できません。

   そのような時はタイムリミットを延長することも可能です。

     この申し立てのことを「熟慮期間延長の申し立て」と言います。

     ただしこの申し立てには理由が必要になります。もともと3ヶ月と決められて
     いるのですから、どうしても3ヶ月では判断できないと言う明確な理由、説得力
     のある理由が必要であり、申し立てさえすれば必ず認められると言うような
     性格のものではありません。

     例えば、財産関係の書類が紛失しており正確な財産と負債の額がわからない
     とか、特定の相続人が財産を隠してしまっていると言ったような場合が該当します
     が、その判断は家庭裁判所が行うので、実際の所は「認められることもある」と
     理解していた方が安全でしょう。

     延長期間は3〜6ヶ月程度が多いようです。また、延長は場合によっては再度の
     延長も可能な場合もありますが、これについても「そういうこともない話ではない」
     と捉えた方が良いと思います。


     結局のところ、余ほどの事情がない限り、相続放棄をするかしないかは基本的
     には3ヶ月以内に判断することをお奨めします。


     だらだら悩んでいても手続きが遅れるだけです。




                        






         
   結局財産が多いのか、負債が多いのかわかりません。

   仮に財産の方が負債よりも多いとはっきりわかっているならば、相続を放棄
     する必要はありませんし、逆に負債の方が財産よりも多いことが明白ならば
     借金を相続する特別の理由がない限り相続放棄を行えば良いことになります。


     ところが、現実には財産や負債の額が確定していなかったり、後から思いも
     しない財産や負債が明らかになったりする場合が多々あります。

  
     例えば借金をして株を買っていたような場合です。借金の額はほぼ確定して
     いますが、株価は毎日変動します。

     こうした場合は、結局財産がプラスなのかマイナスなのかわかりません。

     
     このような場合に役に立つのが「限定承認」という方法です。


     これは一言で言うと「財産を上回る負債については相続しない」方法と言う
     ことになります。

     つまり、財産と負債をプラスマイナスして、それが仮にマイナスになった場合
     には相続しなくとも良いのです。(プラスの場合にはもちろん相続します)

     ただし、限定承認の手続きには相続人全員の同意が必要となり、一人でも
     反対者がいると限定承認できません。

     また、限定承認は相続放棄と同様に、相続を知った日から3ヶ月以内に家庭
     裁判所で手続きしなければなりませんが、その手続きは相続放棄のときほど
     簡単ではありませんし、時間も1年以上かかってしまうのが普通です。

  
     限定承認は時間も手間もかかることを覚悟したほうが良いでしょう。




                        






       
   結局のところ、遺産はいつになったら手に入るのですか?

   相続が完了するまでは、遺産は相続人全員の共有財産なので相続人の
     一人が勝手に遺産を処分することはトラブルの元になります。

     現実問題として良くあるのが葬儀代に関するトラブルです。

     相続人の一人が、葬儀代として故人の預金を勝手に引き出して充当して
     しまうような場合です。

     葬儀には百万円単位でお金がかかりますから、普通の家庭ではかなりの
     負担です。そのため、故人の預金をその支払に充ててしまうのです。

     このことは、葬儀代を支払わなければならない立場の人にとっては至極
     当然のことと思えますが、ほかの相続人からすると「抜け駆け」をされたよう
     に見えてしまいます。

     この様な「あらぬ疑い」をもたれてしまっては後々の遺産額の話し合いがうまく
     進まなくなってしまいます。

     こうした理由で、相続が完了する前に故人の遺産を流用する場合には、必ず
     他の相続人全員にその旨を事前に報告・相談し、かつ葬儀代の金額と預金
     口座からの引き出しの金額が一致していることを証明するために、忘れずに
     領収書等のエビデンスを揃えておきましょう。


     「こんな大変なことをしてやっているんだから、少しくらいいいだろう」


     良ありません。


     後々のことまで考えるなら、疑いをもたれるような行為は極力慎んだ方が
     良いのです。


     金額の多寡の問題ではないのです。




                        






       
   財産や遺産の把握は大体できました。その次は何をしたら良いのですか?

   相続人を確定します。

     具体的には、亡くなった方の戸籍謄本を取得します。

     説明をわかりやすくするため大雑把に言いますと、相続人は亡くなった方の
     配偶者の方とお子さん全員と言うことになります。(実際にはケースバイケース
     です)

     そのことが確かであるかどうかを書面上で確認するために戸籍謄本が必要に
     なります。この際の注意としては、現時点での戸籍謄本だけでなく、亡くなった
     方の出生から現在までの全ての戸籍謄本が必要になります。

     その理由は、例えば転籍をした場合に、転籍後の戸籍謄本には離婚歴等が
     掲載されず、正しい相続人の把握が出来ない場合があるからです。

     仮にですが、亡くなった方に離婚歴があって、前妻との間に子供がいた場合
     には、その子供にも相続の権利が発生します。

     残された親族の誰一人、その前妻の子供に会ったことはないどころか、そのこと
     を全く知らなかったとしても、その前妻の子供には相続の権利があるのです。

     このことは何を意味するかと言うと、遺産の話し合いは、この前妻の子供も交えて
     しなければならず、一度も会ったことが無いからといって、この前妻の子供抜きで
     話し合いをしたとしたら、その協議は無効となることを意味します。

     
     つまり、相続手続きには相続人全員の合意が必要で、一人でも反対者がいると
     相続手続きはストップしてしまうのです。


     このような場合は、遺言書がある場合を除いて、家庭裁判所で調停や審判を
     行うことになります。




                        






       
   相続人の調査も完了しました。次は何を?

   相続人全員の話し合いをして、具体的な遺産の分配方法を確定します。

     要するに「話し合い」です。この話し合いのことを「遺産分割協議」といい、
     その協議の内容を文書にして「遺産分割協議書」を作成します。

     この遺産分割協議が完了して、初めて相続財産の分割が可能になります。

     そうして、分割された財産ごとに名義の変更の手続きを行います。

     例えば、あなたがお父さんの所有する預金を相続した場合に、預金者の
     名義をお父さんからあなたに変えるといった手続きを行なうことになります。

     この手続きの際には「遺産分割協議書」のほかに戸籍謄本や印鑑証明書
     などの書類が必要になりますので、そうした必要書類集めも行います。

     大まかに言うとこれで相続は完了ですが、相続財産が大きい場合には
     相続税の申告や納税がありますので、相続税が発生する場合は税理士の
     先生に処理をお願いするのが一般的です。

     なお、適法な遺言書がある場合には遺産分割協議は不要ですので、遺言書
     の有無をまず調べましょう。

     仮に遺言書が見つかった場合には、原則、勝手に封を開けたりせずに、家庭
     裁判所に「遺言書の検認申し立て」をする必要があります。


     この検認手続きの完了により、有効な遺言書として不動産などの相続手続き
     に使用できる遺言書となります。




                        






      
   遺産分割の話し合いがまとまりません。

   遺産の分割の仕方は、相続人全員が合意するのであれば、どのような
     割合で遺産を分割しても良いのです。

     なので、相続する権利のある人が多数いても、その相続人全員が良しと
     するならば相続人のうちのたった一人が相続しても何の問題もありません。

     ただ、逆に言うと相続人のうちのたった一人でも遺産の分割の仕方に合意
     しない場合は遺産分割の話し合いは決裂することになります。


     遺産分割の話し合いは多数決制では無く全員一致制なのです。


     そのため、遺産分割の話し合い、すなわち遺産分割協議が成立しない時は
     公平な第三者に遺産の分割の仕方を決めてもらわなければなりません。


     これが家庭裁判所の調停や審判です。


     調停とは、家庭裁判所が取り仕切る話し合いのことです。簡単に言うと、当事者
     同士だけの話し合いではなく、話し合いを取り仕切る専門家(調停委員)が、
     話し合いがスムーズに進むようにサポートします。

     でも、これはあくまで話し合いですので、最後まで話し合いがまとまらない場合も
     ありえます。


     これを「調停不調」と言います。


     調停不調の場合は裁判官に判断してもらうことになります。


     これが「審判」です。


     審判になれば、家庭裁判所の裁判官が各相続人の主張を聞いて、最終的な
     遺産分割の決定を下します。

     つまり、当事者同士の話し合いが不成立→司法を交えた話し合いも不成立→
     司法による決定、と言う順番で流れていくことになります。

     なお、調停も審判もいわゆる裁判とは違って一般には公開されません。

     ただ、現実的には遺産分割のもつれが裁判はもちろん、こうした調停や審判に
     まで到ることは余りありません。


     多少紛糾することはあっても最終的には相続人同士の話し合いで折り合いが
     付けられるケースが大部分です。
     
     なので、時間の許す限りじっくり根気良く話し合いを続けましょう。




                        






       
   遺産分割の仕方の一般的なガイドラインみたいなものはないのですか?

   あります。

     まず相続人ですが、これは法律で明確に決められています。この、法律で
     決められている相続人を法定相続人といいます。


     具体的には、故人の配偶者、子、親、兄弟が法定相続人となります。


     このうち、配偶者については必ず相続人となりますが、子、親、兄弟について
     は相続の順番が決められており、子がいれば親や兄弟は相続する権利が
     ありません。つまり、子がいないときには親が、子も親もいないときには兄弟が
     相続することになります。

     結果として、配偶者と子、配偶者と親、配偶者と兄弟のいずれかのパターンで
     原則、相続することになります。

     なお、配偶者がいなければ子が、配偶者も子もいなければ親が、配偶者も子も
     親もいなければ兄弟が、それぞれ単独で相続することになります。

     また、例えば配偶者はいるが子は既に他界してしまっているような場合で、その
     他界した子に子がいた場合は、その子(故人の孫)が相続します。

     これを代襲相続といいます。

     各相続人の相続割合についても法律で決められていて、このことを法定相続分
     と言います。

     例えば、故人に配偶者と子がいる場合では、法定相続分は配偶者が相続財産の
     二分の一、子が二分の一を相続し、子が複数いるならば原則として二分の一の
     取り分を子全員で頭割りして等分に相続することになります。

     よって、子が二人の時は全相続財産の四分の一ずつが、子が三人の時には全相続
     財産の六分の一ずつが法定相続分となります。

     法定相続分については、様々な場合によって異なる相続割合が決められており、
     少々複雑なので、実際の相続発生時には改めて行政書士等の専門家に確認を
     されることをお勧めします。


     法定相続分と聞くと、必ずこの割合で配分しなければならないような印象を持たれる
     かも知れませんが、相続人全員が合意するのであれば法定相続分に捉われず、自由
     な割合で相続財産を配分することが出来るので、現実には法定相続分を参考にして
     遺産の分割を話し合って決めるのが一般的です。




                        






       
   遺言書で、遺産の全額を故人の内縁の妻に渡すとされてしまいました。

   故人が遺言書を作成していた場合、相続人の遺産分割の話し合いは不要です。
     
     遺言書があれば、故人は思い通りに財産を分配させることが出来るのです。
     
     ですから、本来は法定相続人ではないはずの内縁の妻に財産を遺すことも可能
     なのです。

     ただし、遺言書さえあれば無制限に全部の財産を自由に処分できるわけでは
     ありません。

     いくら遺言書で財産の分配の仕方が指示されていても、財産の一部は法定相続
     人に相続の権利が残るのです。

     例えば故人に配偶者と子供が二人いるのにも拘らず財産の全てを内縁の妻に
     相続させると言う内容の遺言書があったとしても、財産の半分は配偶者と子供二人
     が相続する権利があるのです。

     よって、配偶者と子が遺言書の内容に反対するのならば財産の半分は相続できる
     のです。

     
     この相続分を遺留分と言い、遺留分については内縁の妻には配分しませんよ
     と言える権利を遺留分減殺請求権と言います。

 
     この遺留分減殺請求権はあくまで権利ですので、故人の意志を尊重して内縁
     の妻に全額相続させることも可能です。

     なお、遺留分減殺請求権は相続発生の開始および遺留分を侵害されたことを知った
     ときから1年以内にしなければないりません。


     この期限を過ぎますと権利を主張できなくなりますので、注意が必要です。




                        







      
   敷金を取り戻したい。

   そもそも敷金とは一体何のことなのでしょうか?

     本来の敷金の性格とは、借家人が家賃を滞納した場合や借家を毀損した
     場合に借家人が負担しなければならない損害賠償債務を担保する目的で
     借家人が家主に払い込むお金のことを言います。

     要するに、敷金は損害が発生したときに問題になるのであって、退去時に
     行う原状回復工事(=借り始めたときの状態に戻す工事)の費用として相殺
     することは元来許されないのです。

     判例でも、訴訟となった場合には大家側が負けています。

     では、どうしてここまで敷金に関するトラブルが多いのでしょうか?

     それは、敷金トラブルが発生しても訴訟を起こす入居者が非常に少ないから
     です。訴訟には弁護士費用等のお金がかかるし、時間もかかるので避けたい
     と言う心情が働き結局泣き寝入りしてしまう場合が多いのです。

     こうした借家人の側の事情を熟知する不動産業者は、あの手この手で「シロウト」
     を騙そうとしてきますが、あなたがしっかりと法律に基づいてポイントを突いた場合
     案外簡単に態度が軟化することも少なくありません。

     「正義は我にあり」と自信を持って、敷金は返ってきて当然、帰ってこないほうが
     おかしいのだと言う毅然とした態度で敷金を返還するように要求してください。


     相手は悪徳不動産屋かもしれませんが、そうは言っても人間です。


     あなたにしっかりした法律知識があると見れば、大概無謀なことは言いません。


     「なめられないようにする」


     これが一番大切なのです。




                        







         
   壁の黄ばみは原状回復工事に該当するのですか?

   通常の生活をしている限り、壁のクロスが黄ばんでくるのは避けようが
     ありません。

     こうした、時間の経過とともに発生する汚れや傷みを「経年劣化」と言い
     ます。

     経年劣化は原状回復の対象ではないのです。それは賃貸借契約を締結
     するときに当然最初から想定されているべきで、敷金ではなくて毎月の
     賃料の一部として大家が回収していると解されます。

     「契約書にはクロスは賃借人負担で張り替えると書いてある」と、契約書
     をたてに支払を要求してくる業者も多いですが、現在では消費者契約法
     があるため、業者がいくら契約書に明記してあると言い張っても、明らかに
     消費者に不利な事項は無効になります。

     なので、契約書に書いてある等の文句は不動産業者の常套的な脅しで
     あって、実のところは効力はないと思って構いません。

     ちなみに、原状回復工事の対象になるのは使用者の故意・過失や、通常の
     使用を超えるような使用による損耗ですので、故意に壁に大穴をあけたような
     場合は原状回復費用は残念ながら使用者の方で負担することになります。

     こうした極端な例なら判断は難しくなりませんが、実際に問題になるのは
     原状回復の対象になるのかどうか微妙な場合です。


     その際に役立つのが国土交通省が出している「原状回復費用負担割合の
     ガイドライン」です。


     それによると、例えば壁クロスについては6年以上入居していた場合は張替
     費用の9割は大家が負担することになっていますので、壁クロスの張替費用
     が十万円ならば、あなたが負担すべき費用は一万円ということになります。

     ただし、これはあくまで「ガイドライン」ですから、それ自体には法的拘束力は
     ありませんが、一般に認知されている基準ですから交渉の材料としては有効です。


     もし、業者があなたのことを何も知らないシロウトと高をくくっているのならば、
     「国土交通省のガイドラインによると・・・」と言うだけで態度が変わることも考え
     られます。


     是非お試しください。




                        






       
   不動産屋から、いきなり原状回復工事の請求書が送られてきました。

   原状回復工事も契約の一種です。

     ご存じない方もいらっしゃいますが、契約は書面の形になっていなくても
     意志の表示があれば成立します。必ずしも書面は必要ないのです。

     このことは、逆に言うと契約には意思表示がなければならないことを意味します。

     そして、通常は契約をする、しないの意思表示を行う際には、費用が妥当で
     あるかどうかを判断するための材料として見積書が提示されます。

     よって、工事の金額も事前に提示されず、その上、工事をして欲しいとの
     意思表示もしていないのであれば、そもそも原状回復工事費用を請求される
     根拠はないのです。

     つまり、原状回復工事は、工事を行う前に貸主と借主が現場に立ち会って
     現状を確認して、見積書の内容を借主が承認しない限りできないのです。

     
     なので、その請求書の内容に納得がいかない場合は、あなたは契約無効を
     訴えることが可能です。そうなると、貸主が工事費用を全額負担することになり
     ますので、工事費を相当値引きして来る等の歩み寄りがあるはずです。

     その歩み寄りの金額が適当ならば、ここで手を打ってしまうのが現実的な
     解決でしょう。


     契約無効とはいえ、敷金は貸主側が握っていますので、敷金を返還させる
     には多くの場合、訴訟等の手続きが必要になります。


     なお、工事はまだだけど見積書は出ていると言う場合ならば、納得がいくまで
     金額について話し合いをしてください。

     前述の通り、貸主側は借主の了承が得られるまで原状回復工事が出来ない
     のが本来の姿ですので、工事が終わらない限り新たな賃借人を募集できません。


     賃貸人にとって最も大きなリスクは空き室リスクです。


     敷金が賃料の二か月分だったとして、原状回復工事の見積書の内容に賃借人が
     納得せずにトラブルになった結果、三ヶ月以上空き室の状態が続くくらいならば、
     極端に言えば敷金を全額返還してでも、すぐに新たな入居者が入居してくれる方
     が、遥かにありがたいのです。

     このことを盾にとって、適当な額の原状回復工事費用すら支払わないようにする
     のは絶対にやめて頂きたいと思いますが、提示された見積書の内容に納得しない
     まま、諦めて渋々承認する必要はないので、納得行くまで話し合いをされることを
     お奨めします。

     見積金額が適当かどうかは、お近くのリフォーム業者さんから独自に見積を取るか、
     見積を取らないまでも、畳や襖、壁クロスなどの単価を確認されてみてはいかが
     でしょうか?




                        






        
   いくら交渉しても不動産屋が敷金を返そうとしません。何か良い手は?

   話し合いが決裂したと言うことであれば後は司法に判断してもらうしかありません。

     要するに裁判です。

     裁判と言うと時間もお金もたくさんかかる厄介なものと思われるかもしれませんが、
     取り戻したい敷金の金額が60万円以下ならば、ほとんど費用をかけずに出来る
     裁判があります。

     しかも時間も普通の裁判のように長期に及ぶことは無く、短時間で最終的な判決
     に達します。更に、弁護士を雇わなくても、自分ひとりでも簡単に裁判を起こすこと
     が可能です。

     訴えを起こす際の裁判所は簡易裁判所になります。

     訴えを起こす手続き自体がそれほど難しいものではありませんし、わからないことは
     簡易裁判所に確認することも可能です。

     これは少額訴訟と言う制度で、敷金返還を求める場合などは非常に使い勝手の良い
     制度です。

     ただし、注意しなければならない点として、普通の裁判と違って負けても控訴すること
     は出来ませんので、絶対に勝つべく証拠集め等の充分な準備をすることが必要です。

     つまりは「一発勝負」、失敗は許されません。

     これで敗訴すると最早お手上げということですが、少額訴訟の費用は通常の裁判とは
     異なり印紙代と切手代で8千円程度と普通の人でも出せる金額です。

     不謹慎な言い方かもしれませんが、仮に敗訴したとしてもリスクはその程度です。

     是非、少額訴訟を検討なさることをお奨めいたします。






                        






        
   賃料を値上げすると一方的に通告されています。


   いくら景気が上向いてきたとはいえ、都心の一等地などの余ほどの人気物件
     を除いて、賃料は下がる事はあってもあがる事はほとんどありえません。

     ご承知の通り、もともとマンション等の不動産物件は年数とともに価値が
     下がって行きます。

     仮にあなたのお住まいの物件のそばに新築マンション等が建ったとしたら
     物件の需要と供給のバランスが崩れますので、一般的にはあなたのお住まい
     の物件の価値は下がります。

     なので、物件の価値の下落に比例して賃料も下がってしかるべきなのです。


     まずは近隣の不動産物件の相場を調べましょう。


     そして、あなたのお住まいの物件よりも好条件の物件を見つけて下さい。

     前記のように、時間の経過とともにあなたの物件は周囲の物件に比較して
     割高になっている可能性のほうが高いのです。

     良い物件を見つけたら、それを根拠に逆に値下げ交渉をしましょう。


     値下げ交渉と言うと難しいように聞こえますが、非常に簡単です。


     「値上げの件ですが、調べてみたら他に良い物件が見つかったので、そちら
     に引っ越すことを考え始めました。今の所は大変気に入っているので、本心は
     引っ越したくないのですが・・・。賃料を下げていただけるなら悩むまでもない
     のですけれども・・・。」と言うだけです。

     貸主にとって一番恐いのは、所有物件が空き室になってしまうことです。

     仮にあなたの家賃が10万円だったとすると、あなたが引っ越した場合、次の
     賃借人が見つかるまでには最低でも1ヶ月はかかるので、その間は賃料が
     ゼロになります。長ければ延々と賃料が入ってこないリスクが発生します。

     ということは、3,000円の値下げに応じたとしても約3年間あなたが入居し
     続けてくれた方がリスクは低いのです。


     繰り返しになりますが、それ位、賃料の値上げなど通常は応じる必要のない
     話なのです。もってのほかの話なのです。


     もちろん何事にも例外はありますが、強気で賃料据え置き交渉、いえ値下げ
     交渉をして下さい。

     
     なお、さも当然と言う態度、落ち着き払った態度で希望を事務的に伝えるのが
     全ての交渉ごとの秘訣です。


     ご健闘を祈っております。






                        






        
   賃料据え置き交渉が決裂しました。


   賃料交渉が決裂したからといって、大家の言いなりになって賃料値上げに
     応じる必要は全くありません。


     当事者の話し合いでは決着しない。


     こうした時は司法に判断してもらえば良いのです。


     供託と言う制度を利用しましょう。


     供託とは、簡単に言うと「金銭等に関するトラブルが決着するまで、供託所
     という公的機関に問題となっている金銭等を預けておくこと」です。

     今回のように、賃料に関するトラブルであれば、法務局の供託課に出向いて
     賃料相当額を供託されることをお奨めします。

     供託の手続きは簡単ですし、法務局には記入例等も揃っていますから恐らく
     ご自分で手続きできると思います。

     賃料を供託所に供託すると、家賃を大家に払ったのと同じ効果が得られます。

     仮に、交渉が決裂したからといって勝手に賃料の支払をストップするようなこと
     をした場合には、借主(あなた)の債務不履行を理由として賃貸借契約を解除
     されてしまう恐れがあるので、そうされないために供託をします。

     「値上げには応じられないが、今までの賃料はきっちり払う。債務は履行する。」
     というスタンスを取って、公明正大に値上げには応じられない態度を明確にします。

     あとは大家側が調停を起こしてくるのを待っていればいいのです。

     ただ、実際に調停を起こしてくることはレアケースで、ほとんどの場合は大家側
     が折れてきます。


     実際には、大家と賃料交渉が決裂した時には「そうですか。仕方ありませんね。
     どうしても今までどおりの賃料では受け取ってもらえませんか?分かりました。
     ならば当方としては供託所に毎月の賃料を供託せざるを得ませんが宜しいですね?」
     と言ってみて下さい。


     普通はそれでおしまいです。






                        






       
   もう数年夫婦の不和が続いており離婚しようか悩んでいます。私は離婚した
     方が良いのでしょうか?それともしない方が良いのでしょうか?

   大変難しい判断です。

     ただ、一つだけ言えることは、最終的なご決断はあなた自身にしかできない
     ということです。

     充分すぎるくらいお分かりだと思いますが、夫婦の事は夫婦にしか分から
     ないのです。たとえそれが子供であったとしても夫婦の事は理解できない
     ものです。

     最近ではこのようなインターネットの情報もありますし、離婚関連の書籍も
     多数ありますし、もしかしたらあなたの身近にも離婚を経験なさった方が
     いらっしゃるかもしれません。

     昔に比べると、離婚に関する情報源は格段に増えています。


     でも、決してそうした情報源からの情報を鵜呑みにしてはなりません。


     あなたの夫婦関係は他のどの夫婦関係とも違うのです。


     こう考えてみてはいかがでしょうか?


     まず、あなた自身はどうなさりたいのかを冷静に考えてみる。自分でもどう
     したいか分からないから悩んでいると仰るかもしれませんが、私の印象と
     してはご相談者の多くの方は最初から「答え」を持ってらっしゃいます。

     本当は既に「答え」に到っていることが多いのです。

     彼女たち、彼らの多くが悩んでいるのは「どういう結論が良いのか?」
     ではなくて「結論には到っているのに決断できない。決断して良いのか?
     決断するにしても今決断してしまって良いのか?」なのです。


     あなたは違いますか?


     もし、あなたもそうならですが、あなたに確認して頂きたいのは「本当にその
     結論が長期的に良い結果になると思えるか?」を自問することだと思います。

     本やインターネットや離婚経験者の話が役立つのはこの段階です。できるだけ
     多くの情報を集め、大いに悩まれたら良いと思います。

     他人事に思われるかもしれませんが、私には確信があります。

     この時点で大いに悩まれた方ほど決断をした後は過去を振り返らなくなるのです。

     離婚するにせよしないにせよ、決断したからには振り返ってはならないのです。

     
     「今これほど悩んでいるのは、将来決断した時に絶対に過去を振り返らないように
      するため」


     こうお考えになることは出来ませんか?


     そして、悩みぬいた上で結論に到ったら後は決断するだけです。



     でも、それはどんなに優れた法律知識や経験のある法律家にも出来ません。


     あなたにしかできないのです。


     もし、あなたが結論に到っていないのであれば、これもやはり出来るだけ多く
     情報を集められることです。繰り返しになりますが、結論に到ることは難しくあり
     ません。多くの方は結論自体には割に容易に到達しています。

     難しいのは決断であって、結論を出すことではないのです。


     決断とは「決めて断つ」と書きます。


     離婚する、しないのどちらかを選んだら、選ばなかった方の選択肢は抹消して
     しまってください。要するに「○○は死んでもありえない」と肝に銘じるのです。

     あとは選んだ方を実現するために全力でことにあたる。選んだからには二度と
     選ばなかった方の事は振り返らない。


     決断は、どちらを選ぶかよりも、選んだ方に全力を注げるかの方が余ほど大切な
     問題なのです。


     決断の結果を成功たらしめるのか否かは選択の問題ではないのです。



     「覚悟」の問題なのです。






                        






          
   主人が嫌でたまりません。でも、性格が嫌いな以外は特にこれといった問題
     はないのですが別れられますか?

   別れられるか、別れられないかという問いに対しては、別れられますというのが
     答えです。


     ただし、それは原則としてお互いの話し合いによる場合です。


     極論すれば、全く理由がなくても夫婦が合意できさえすれば「なんとなく」でも
     離婚は可能なのです。

     離婚には大きく分けて二つの方法があります。

     一つには夫婦のみ、または第三者を交えた「話し合い」によって離婚を合意に
     いたるもの。

     もう一つは司法、すなわち裁判所に離婚の可否を決定してもらうもの。


     繰り返しになりますが、前者の場合であれば「性格が嫌い」といった理由であって
     も、ご主人がそれで納得されるのであれば特に問題はありません。

     ところがご主人が「そんな理由では離婚できない!」と、話し合いでの離婚に応じ
     ない場合は厄介です。


     この場合は、もう一つの方法による解決、すなわち司法の力を借りて問題の解決
     を行うことになります。

     ところが、そうなった場合、一般的にはあなたが離婚できる可能性は低いでしょう。


     無理だと断言は出来ませんが、話し合いで離婚がまとまらないようであれば、既に
     別居期間がかなりの年月になっている、実質的に婚姻関係が修復不可能なほど
     婚姻生活が破綻していることが確実である等の状況でない限り、裁判所があなた
     の離婚を認める事はまずないと予想します。


     ただし、あなたの仰られているのが性格の不一致ではなくて、「性」の不一致ならば
     状況は少し異なります。

     実際問題として、性格の不一致と仰る方のお話を良く良く聞いてみると、本当は
     性格ではなくて性の不一致であることが少なからずあります。


     少々生臭い表現になってしまいますが、ご主人に異常な性癖があり、それが原因
     で嫌でたまらないというような場合は離婚が認められる場合があります。

     これに該当するようであれば諦める必要はありません。


     話し合いで離婚がまとまらなかった場合でも、裁判をして離婚を勝ち得ることが
     できる可能性があります。
     






                        







   離婚の仕方にも色々方法があると聞きました。どのような方法があるのですか?

   離婚を裁判で争うには離婚原因が大事と聞いています。離婚原因とは?

   身体の関係はありませんが、好きな人がいます。そのことが主人の知れる所と
     なり、主人から「不貞を働いたのだから離婚する!」と離婚を言い渡されました。

   不貞行為の証拠としては、どの程度のものが必要になるのですか?

   主人に浮気相手がいます。けれど、私は離婚したくありません。浮気相手と手を
     切らせるにはどうしたら良いでしょうか?

   浮気相手とは別れたみたいですが、それでも浮気相手のことが許せません。
     何か制裁を加えることはできないでしょうか?

   主人からもう何年も無視され続け、最近では生活費も家に入れてくれないように
     なりました。もう限界なので別れたいのですが・・・。

   主人の性癖に堪えられないため性生活を拒否したら、主人から離婚すると言われ
     てしまいました。

   主人が暴力を振るいます。別れたいのですが、離婚したいなどと行ったら何を
     されるか分かりません。恐くて出来ません。

   もう限界です。お互いの気持ちの整理のためにも、まずはとにかく別居したいと
     思っています。でも、生活費のあてがありません。

   離婚は決意しましたが、今後の生活が不安です。

   離婚したいのですが、出来れば円満に離婚したいと思っています。裁判をせずに
     離婚は出来るのですか?

   離婚を申し出られ、やむなく離婚には応じるつもりです。でも、財産分与等の金銭
     面で折り合いがつきません。

   財産分与と慰謝料は違うのですか?

   養育費を請求したいのですが、確実に払ってくれるか不安です。

   子供の親権に関する折り合いがつきません。

   裁判所から調停の呼出し命令が来ました。話し合う気は毛頭ないので行きたく
     ありません。行かないとどうなりますか?